(前回までのお話)
「鷹の団」に入団したガッツですが、グリフィスの「人の夢にすがる者は親の友ではない」との言葉に、自分を見つめ直しグリフィスの元から去ったガッツでした。
しかしグリフィスが幽閉され「鷹の団」も残党のみ。
ミッドランドの正規兵から追われる身になっても、尚グリフィスを救出しようとするキャスカ達の事を耳にし、そして「キャスカの想い」を知ったガッツは「グリフィス救出作戦」に手を貸すのでした。
もはや歩く事も出来ないグリフィスは「ベヘリット」を手にし異次元の扉を開き4人のゴッド・ハンドの前で「捧げる」と口にしたのです。
「運命の蝕の日=免れぬ死」が「鷹の団」みんなに襲いかかります。三浦健太郎先生のダークファンタジー巨編「ベルセルク」です。
目次
「ベルセルク」コミックスの感想。あらすじを振り返る13巻~15巻
人ならざる者達の残虐な饗宴が始まる!
(出典:AmazonKindle)
惨劇の始まり
異次元の中で「鷹の団員達」は戦う者・逃る者・食われる者それぞれに足掻いています。
ピピンはキャスカを庇い「逃げろ!」と怪物もどきと闘いますが、誰が見ても劣勢です。
そしてキャスカを抱えジュドーは「これが俺達の夢の終わりなんてたまるか!お前が生きていれば「鷹の団」は生きてる!!生きろ」と馬を走らせます。
しかしジュドーも、片腕を食われ瀕死の重傷です。
キャスカを庇い馬から転げ落ちます。ジュドーは自分もキャスカの事を「好き」だった事を告げる事ができずに死んでいきます。
キャスカは一人剣で戦いますが、剣などまったくの無意味です。
そしてガッツは隊員のガストン・ピピン・仲間の死をまのあたりにします。
仲間の首を!胴体を!むさぼる怪物もどきにガッツは、我を忘れ真向から向かっていくのです!
犯されるキャスカ!仲間の死と闇の翼「フェムト」誕生!
キャスカは丸裸にされ気を失い、怪物もどきに凌辱されそれを見たガッツは逆上します!
ガッツの左腕は怪物もどきの歯に食いちぎられそうになりますが、その時「闇の翼・フェムト」=グリフィスが新たに誕生したのです!
隊員の死を血を肉を喰らい、新たなる魔人もどきのグリフィスです。
気を失ったキャスカの裸体を降ろす様に、化け物もどきに命令したグリフィス=フェムトは、ガッツの目の前で、キャスカを犯し始めました!
気を失っていたキャスカでしたが、不意をつかれ目を覚まします。
グリフィス?
そんな事お構いなしに「魔人フェムト」はガッツに見える様にわざとキャスカを犯し続けます!
腕を噛まれたままのガッツは折れた剣で、自ら腕を斬りおとします。
そして、グリフィス=フェムトとキャスカを引き離そうとしますが、逆にガッツは頭を押さえつけられその爪が目に食い込んでいきます!
そしてキャスカも「見ないで」と喘ぎながら、悶えながらフェムト=グリフィスのおもちゃになっていました。ガッツの右目が最後に見たものは・・それは犯されて果てるキャスカの姿でした。
「髑髏の騎士」現る!ガッツとキャスカの見る世界とは?
気を失った二人でしたが、そこへ「髑髏の騎士」が異次元の境をぶち壊し現れました。
傷ついたキャスカとガッツを馬に乗せ、異次元の境を通り去って行きます。
5人目のゴッド・ハンドの登場。それは「暗黒時代」の始まりでした。
(出典:AmazonKindle)
武器屋ゴドーの岩場でガッツが目にしたものは?
リッケリトも助けられ、目を覚ましたガッツは、滝に打たれるキャスカを見つけます。
しかしキャスカは以前の記憶を失い、まったくの別人=廃人同様になっていました。
仲間を失い・左腕も失い・右目も失い・その上キャスカまで失ったガッツは、耐え切れず洞窟から出て泣き叫びます!
何もかも・・失ったガッツ!真夜中の帳が降りてきました。
どこからともなく「髑髏の騎士」が現れ「これが、お前の世界。現世と幽界の境界狭間の世界だ。生贄の烙印が亡霊達を引き寄せる。心してかかれ。でないと、とり殺されるぞ」髑髏の騎士はガッツに剣を貸し、ガッツは水を切る感覚で亡者達を斬ります。
腐れ化け物もオレが狩り殺す!!開戦ののろしだ!!
切り倒すガッツ!突然亡者達は姿を消します。
「別の松明を見つけたのだ」そうです、キャスカが洞窟からでて崖に一人立っていました。
骸骨の騎士は急ぎ馬を走らせます。
キャスカの周囲には亡者達が、見守る様に漂っています。
キャスカはお腹を押さえ、うずくまりました。膣から出た血の塊=キャスカが宿したばかりの胎児でした。
グリフィス(フェムト)と交わり、宿したばかりの胎児に魔が宿ったというのです。
「生まれながらに魔を受けた、呪われし子だ。殺しておいた方がいい」と骸骨の騎士は言います。
ガッツはキャスカから異形の形をしたものを取り上げ殺そうとしますが、陽が登り「異形の子」は姿を消しました。
その「異形のもの」はガッツとキャスカの子供だったのです。
「その刻印は、魔に反応する・・良き旅を。あがくものよ」と骸骨の騎士は消えて行きました。
「食べ残し、良くない。オレの食いもの」
復讐を誓ったガッツはキャスカを囚人の様な洞窟の檻の中に入れ、旅立つ準備をします。
リッケリトが用意してくれた義手をはめ、黒ずくめの鎧にマントです。
そこへ狂人の様な人型が現れました「食べ残しよくない」とガッツの「刻印」につられてやってきたのです。
怪物もどきになり、真の姿を見せた男にゴドー・リッケリト・エリカも腰を抜かします。
ガッツはゴドーに作ってもらった剣の試し斬りになると斬りつけますが、ゴドーは「あの剣は人以外のものは斬れねぇんだ」と言います。
武器庫に叩きつけられるガッツ。
そこにあったのはゴドーが戒めに作った「ドラゴン殺し」=大剣です。
ガッツは振り落とし、怪物もどきを殺しました。
「あいつ、振りおろしやがった」ゴドーは驚愕しました。
聖鉄鎖騎士団・ファルネーゼと妖魔に追われるガッツ!!
ガッツは幽界と現世を彷徨いながら妖魔=フェムトの手がかりを追っていました。
追っていたのはガッツだけではありませんでした「法王庁の軍隊・聖鉄鎖騎士団」は「黙示録」にあった「闇の鷹」を追っていました。
団長は女・ファルネーゼです。
ロスト・チルドレン・「霧の谷の妖精」惑わされるガッツ!!
あれから2年、ガッツは幽界と現世の狭間と戦いながら「フェムト=グリフィス」の痕跡を追っていました。
「霧の谷」で真夜中、夜盗に捕まった一人の女の子を助けます。
ジルでした。夜が明けガッツとジルは村へ向かい、ジルの父親は「飲んだくれ」の暴力を振るうどうしようもない父親でした。
そこへパックが顏を出し、村中大騒ぎになります。
「霧の谷の妖精だ!その妖精をこっちに渡してもらおうか」暴動寸前、なんだか解らないガッツとパックはそこから逃る事にします。
ジルはお礼がしたいとガッツに言います。
「夜明けに来い」とガッツとパックはとりあえず風車小屋に行く事にしました。
「赤い目のピーカフ」とロシーヌ姉ちゃん
ジルは食べ物を持って風車小屋に行きます。そして「霧の谷の妖精」の事を話ます。
(出典:AmazonKindle)
外見はパックそのものですが、妖精ではなく「あの子供達は、人間を食べるの。そして殺しにくるの」とジルは言います。
その時、ガッツの首の刻印から血が流れだします。
その妖精もどきが、ジルの村に集団で向かっています。
「確かに、妖精じゃねぇな」とガッツは村に急ぎます。
村では、男の子が一人残されていても、誰一人家の扉を開ける者はいません。
ガッツは大剣の先にその子を引っ掛けて、妖精もどきをおびき寄せます。
村中走り回るガッツ。そしてその子を囮にし、妖精もどきを焼き払います。
それを見ていた人間の子供と同じ大きさの「妖魔」に合います。
ガッツは斬ろうとしますが、パックがそれを止めます「あれは人間だよ!」と言うのです。
ためらったガッツに攻撃を仕掛けた「妖魔」ガッツは毒に侵されていまします。
倒れるガッツ。
ジルは「やめて!!ロシーヌ」というと妖魔は去っていきました。
そして妖精もどきを焼き払った小屋には、人間の子供が焼かれていました!死んで人間に戻ったのです!!
ジルとロシーヌ姉ちゃん
「人殺し!」とガッツは村中の大人に囲まれました。
仕方なくジルを人質にとり、脱出しますがジルが着いてくるというのです。
「その友達を殺しに行くんだ」とガッツは「霧の谷」へ向かいます。
パックは人間のあの子を殺すのかと気がきではありません。
パックを石で囲い「黙ってろ」とガッツは一人で谷へ向かいます。
ジルはガッツの後を追い、パックを助けます。その夜、ガッツは焼き殺した子供達の亡霊に襲われます。
毒が抜けないガッツは苦戦を強いられます。
そしてジルを庇い崖から転げ落ちます。
やっと夜明けがきました。
そしてジルはロシーヌの話をガッツにします。
「赤い目のピーカフ」の話が大好きだった事、ある日突然いなくなった事・不思議な形をした卵を持っていた事も。
ガッツは「そしてロシーヌの両親もいなくなったんだろ?」と言います。
その卵は「ベヘリット」でした。
ロシーヌは自分の願いを叶える為に、両親を生贄に捧げたんだとジルに告げます。
「おとぎ話じゃない。血みどろの大人の話だ。今度は剣を止めるつもりはない」とジルに言います。
「村に帰れ」と。ガッツは「霧の谷」へと向かいます。
おとぎ話じゃない「戦争ごっこ」
ガッツを出迎えたのは、ロシーヌが虫に変えた「妖魔もどき」でした。
毒が抜けないガッツは何十匹といる「妖魔もどき」と戦います。
その間にロシーヌはジルを自分の「妖精の谷」に連れて行きます。
空を抱きかかえられて飛んだジルは「現実から逃げたかった」のです。しかしジルは「戦争ごっこ」をしている妖精もどきを見て悲鳴をあげます!
死んでいたのは「人間の子供」だったからです!
「闇の鷹」=ガッツとして追う「聖鉄鎖騎士団」ファルネーゼ
その頃、村に訪れた「聖鉄鎖騎士団」は「闇の鷹」=ガッツと思いガッツの足取りを聞いていました。
「ガッツを捕らえる事」これが任務でした。
ジルはパックと一緒に「妖精もどき」から逃げます。辿りついたのは「孵化場」でした。
いくつもの卵がぶら下がりそこから「妖精もどき」が出てくるのです。
さなぎの中には人間の子供が入っているのでした。
ジルはさなぎにされる所にガッツがさなぎに火をつけます。
人間か、妖魔か解らないものがさなぎから落ちました。
ジルは我に戻ったのでした。
「ベルセルク」13巻~15巻感想
きました!「蝕の日」です。
この頃の三浦先生の女性の裸体は綺麗です。
ガリガリではなく綺麗に艶っぽさもあり「グリフィスの乱交」も卑猥さよりも色気が先に来ます。
それだけに「生贄」になった仲間達が生又しくもあり、ガッツの怒りが伝わってきます。
この時程、三浦先生の描く女性の身体が綺麗に見えたのはありません。
またカラーではないのですが「血みどろ」になった仲間達の姿やガッツの腕や目が潰されるシーンは色が見える様な、表現力に見ている方も引き込まれてしまいます。
滝に打たれるキャスカの透けて見える裸体の美しさは言葉がありません。
凄い「異次元の世界」を表現している三浦先生のデッサン力は、本当に凄いです。
「髑髏の騎士」はこれからの話のキーマンになる存在です。
「髑髏の騎士」も細かく描かれており登場するたび興奮しますね。
「髑髏の騎士」の登場の仕方がかっこいいのです。
この漫画を「振り返る」とガッツがどうやって腕と目を失ったのか、そしてキャスカの記憶喪失の意味もよく解ります。
「フェムト」がどうやって人間の身体を取り戻したのかも、おいおいご紹介していきます。
キャスカとガッツのあの「異形の子供」これが鍵です。
これだけ「蝕」で盛り上がって、その後「ロスト~」では少し話が長い様な気がしてなりません。
約2巻ぐらい使って「ロスト~」を描いていると思います。
読んでいる側からしたら「うむ~」と、うなってしまいます。
だったら「蝕」を長くしてピピンの最期とか、細かく描いて欲しかったと思ってしまいます。
「妖魔」も元は人間だった、人間を斬れるか?!というガッツの「人間身」を試しているのだと思いますが、少し長編すぎだったと思います。
この様なお話は、後日談「グリフィス」を目の前にして、リッケリトがグリフィスを斬れるか?という話もでてきます。
しかしそれは、ガッツも一緒であり「グリフィス」を目の前にして斬れるか!?と言う疑問にぶち当たります。
全て「ベルセルク」はここから始まっています。
是非13巻を手にとって読み返す・知らない方は読んで頂きたいコミックです。
(記事:kerorin)