ガッツの青年時代「黄金時代」第4巻~第6巻は、ガッツが「鷹の団」の一員になる経緯を描いた三浦健太郎先生のダークファンダジーマンガです。
この作品は「映画」とかで楽しんだ方も多いと思います。
第1巻~3巻までは「孤独な戦士」で「怪物もどき」と戦っていたガッツですが、この巻から「出生の秘密・グリフィスとの出会い・不死のゾット」など、今後のストーリー展開に多いにかかわってくる怪物・人物の登場です。
「不死のゾット」とガッツの因縁の関係も解ってきます。ゾットの本性を始めて見た時は戦慄が走りました。
また幼少時代のガッツはとてもかわいいです。
目次
「ベルセルク」漫画の感想とあらすじを振り返る4巻~6巻
(出典:Amazon Kindle)
「血と死体の中から生まれた子=ガッツ」
傭兵が盛んに活動していた頃、馬車である傭兵の一団が通り過ぎようとしていました。
どこもかしかも「犯された女の死体・兵士の死体」で溢れていました。
絞首刑場には数体の遺体がぶら下がっていました。
泥と流された血の中に赤ちゃんの泣き声を聞いた女性(シス)が馬車から飛び降りその子を抱きかかえます。
シスは、ガンビーノ(傭兵)との間の子を亡くして以来、精神状態がおかしくなっていました。
シスが抱きかかえた赤ちゃんに”ガッツ”と名づけます。
傭兵で育ての親・ガンビーノとは?
ガンビーノは腕のたつ傭兵軍団のリーダー的存在でした。
しかし、性格は破綻しているような男でした。
ガッツの「育ての親」です。同じ傭兵仲間に、ガッツが初陣を飾った日に銀貨数枚でガッツの身を売るのです。
ガッツは押さえつけられ、抵抗できず犯されてるのです。
(ガッツは、その後からトラウマで他人から身体を触られるのを嫌いになります)
(出典:Amazon Kindle)
それからしばらくしてガンビーノは戦場で、片足を切断します。
元はリーダー的存在だったガンビーノは戦場に二度とでる事ができなくなり、ガッツが戦場にでて、ガンビーノを養う事になるのです。
そんな様子をみていた仲間達に「大したご身分だぜ。俺達もあやかりたいぜ」とガンビーノはからかわれ、だんだんと正気を失っていきます。
そして正気を失ったガンビーノはガッツを殺そうとします。
「呪われたガキ!!お前なんかあの場で殺しておけばよかった」ガッツは身を守る為にガンビーノを誤って殺してしまいます。
傭兵仲間の中では「仲間を殺したヤツは死刑」という掟があり、ガッツは命からがらそこから逃げ出すのです。
「鷹の団」グリフィス、キャスカとの出会い
命からがら逃げたしたガッツは「孤独な傭兵」になり戦場を渡り歩く様になります。
道すがらガッツはある傭兵の集団の一人に、絡まれ戦闘になります。
ガッツの一方的な強さに押され、女戦士(キャスカ)が弓を引きます。キャスカさえ
押されてしまいます。そこへ「剣を納めてくれないか」と現れたのがグリフィスでした。
ガッツは、グリフィスに刺され気を失います。この集団こそ「鷹の団」でした。
「お前が気にいったから。鷹の団に入れ」グリフィスVSガッツの熾烈な戦い!
ガッツは数日間、目を覚ましません。
うっすらと「黒い瞳」の裸体の女性が身体を暖めているのが、解りました(キャスカ)でした。
グリフィスの命令でガッツの冷えていく身体を暖めていたのです。
意外な事にガッツはトラウマは感じませんでした。
目を覚ましたガッツはグリフィスに「気に入った。俺のもの」と言われ、ガッツは自分の全てを見透かした様なグリフィスに対して「きにくわねぇ」と剣での決闘を申し込むのです。
最後は、お互い剣を捨て殴り合いの喧嘩になりグリフィスはガッツの腕を、顔色一つ変えず折りました。
「これで俺のものだ」・・ガッツは「鷹の団」の一員になるのでした。
一騎抜けそしてしんがり!!「切り込み隊長」になったガッツが目にしたものは?
ガッツに寄せるグリフィスの信頼は、ガッツを「切り込み隊長」にまで登りつめさせます。
面白くないキャスカは、ガッツに当たり散らしますが、ガッツの実力を認めざるおえませんでした。
一国のミッドランドとチューダとの戦いは100年も続いていました。
その100年の戦いに終止符を打ったのが「鷹の団」でした。
ミッドランドの救い主になったグリフィス率いる「鷹の団」は下賤の集まり・傭兵あがりなどとミッドランドの貴族達は「やっかみ・皮肉」を込めて陰で言っていました。
グリフィスは「騎士の称号」と爵位=子爵まで、王から授けられるのでした。
「国を手に入れる」グリフィスが首から下げていた「ベヘリット」?!
ガッツはミッドランドで爵位まで手に入れたグリフィス・ミッドランドの正規軍にもなりガッツは「本当にこのままでいいのか」自問自答を始めるのでした。
そして「国を手に入れる」と真顔でいうグリフィス。ミッドランドの英雄となりつつありました。
ある戦いにでた「鷹の団」の前に、強敵「不死のゾッド」が現れます。
先陣に50人も送り誰一人帰ってはきません。
ガッツは一人乗り込みますが、ガッツでさえ「恐怖」を覚える程の「人間ではない強さ」を持つ巨体の男でした。
ガッツは渾身の一撃をゾッドに打ち込みます。
ゾッドは「この300年、人間でありながらここまで打ち込むとは」と真の姿を現します。
それは「異形のもの=人事を超えた何か」でした。
「覇王の卵」この男の野望が潰える時、逃れられない死が訪れる!
ゾッドはガッツに酷い一撃をくらわし、そしてガッツを助けにきたグリフィスも壁に叩きつけられ、2人とも瀕死の状態です。
ゾッドは「ひねり潰してやる!」とグリフィスに手を伸ばそうとします。
その時、目にしたのが「ベヘリット」でした!!
「そうか!!そういう事か!この男の野望が潰える時、お前に逃れられない死が訪れる」
とガッツに予言めいた事を告げ、空高く大きな羽を広げ飛び去っていきました。
ミッドランドの王女・シャルロットとの運命の出会い
一命をとりとめたガッツとグリフィス。
この一件からミッドランド王の信頼は大きなものになっていました。
そこへ娘・シャルロットを紹介されます。
グリフィスの人気が国中に広まり、一方貴族達の嫉妬は高まるばかりでした。
シャルロット王女も、グリフィスに想いを寄せる一人でした。
「シャルロット王女とグリフィスが結婚すると自分の地位が危ない」と自分の立場を危惧するユリウス将軍を、フォス大臣が煽ります。
「定例行事の狩りの弓に猛毒を塗り、グリフィスを暗殺する」ユリウス将軍は決行します。
毒矢からグリフィスを守ったもの「深紅のベヘリット」でした。
グリフィスにはこの暗殺に関わった人物が誰であるか?!解っていました。
暗殺者ガッツが、垣間見たグリフィスのいう「真の友」とは?
ガッツはグリフィスの命令通り、ユリウス将軍の屋敷に忍びこみユリウスを殺します。
逃る際、ユリウス将軍の息子=アドニスに見られてしまい、ガッツは幼いアドニスも殺してしまいます。
茫然としたガッツは、真夜中グリフィスとシャルロットの密会を目にします。
「生まれたから仕方なく、ただ生きる・・そんな生き方は耐えられない。真の友とは決して人の夢にすがったりしない。自分の生きる訳は自ら定め進んで行くもの。”対等な者”だ」と聞きガッツは、グリフィスとの距離をまじまじとかんじたのでした。
「一本の剣でありたい」キャスカの思いとガッツの関係
キャスカは「生理」になり実力がでません。
戦いにでた「鷹の団」でしたが、崖から落ちるキャスカを助けようとガッツも一緒に落ちてしまします。
そこでキャスカは、グリフィスに対する自分の想いをガッツに告げます。
グリフィスの側で「一本の剣になりたい」とガッツに言うのです。
しかし少しづつガッツの想いはキャスカに惹かれていくのでした。
そしてキャスカは「シャルロット姫」とグリフィスの関係も解ってはいるけど、少しだけ嫉妬するのでした。
「ベルセルク」4~6巻の感想
ガッツの幼少時から青年期を描いた計3巻です。
これから起こる「グリフィス」とガッツの関係を細かに描いてます。
私的には、ここはそれ程引っ張る箇所ではない気がします。
(あくまで個人的意見です)映画で観た方には「ガッツとグリフィスの関係」が色濃く残っていると思います。
映像ではグリフィスがとても綺麗に描かれており貴族のドレス・背景など印象深い作品の一つだと思います。
コミック的には、もう少し「さらっと流してもいい」と思ってしまうのは何故か?
これからガッツが決断すべき重大次項が含まれているからでしょう。
そこからグリフィスの「復活」が延々と続いていくストーリーだからだと思います。
この頃の三浦先生の画風とストーリー展開は独自性があり、結構面白いです1~3巻は本当に素晴らしいものです。
現在は、映画やゲームと忙しさを増し、今やっと「妖精王」の元キャスカの記憶を辿っています。
しかし、少しRPG的ストーリーになってしまった事は残念でなりません。
1~3巻で「黒い剣士」として戦っていたガッツの姿が、1番かっこいいと思ってしまいます。
でも「手塚治虫漫画優秀賞」を獲得した作品です。
ストーリー的には、素晴らしいと思いますが、なかなか続きがでないコミック・・これはファンにとってある意味、
辛い事です。
画も変わりつつありこの当初の作画が1番よいと思ってしまうのは、自分だけでしょうか。
まだまだ続く「グリフィスとガッツの戦い」のラスト・三浦先生自身「解らない」と言っています(笑)。
魔法や妖術でグリフィスの力に拮抗できるのでしょうか。先が楽しみです。
(記事:kerorin)