「最遊記」本篇から約400年前、深い雪に閉ざされた山奥に建立された「大霜寺」
そこでは桃源郷における「三蔵法師」の称号継承権をかけて多くの、才能あふれる僧侶達が修練に励んでいました。
その中でも秀でた才能を持ちながらも、絶望的にマイペースさを持ち「減点僧」と呼ばれる峯明(ほうめい)・・その男、
後の「光明」=玄奘三蔵のお師匠様となる、若き日の修行僧の姿を描いたもう一つの「最遊記」峰倉かずや先生の「最遊記異聞」です。
峯明(後の光明三蔵)の天然ボケに大笑い、そして、厳しい修行の中「三蔵法師」候補に残った峯明含む「11人」の修行僧達の個性が光る、捧腹絶倒痛快坊主ライフを描いた作品です。
また峯明(光明三蔵)の物凄い才能を垣間見るシーンや「やはり!玄奘三蔵のお師匠様」と爆笑シーンも多く登場します。
<とりあえずBookliveで立ち読みしてみる>
目次
「最遊記 異聞」のネタバレと結末!感想とあらすじ
命を賭して苦行に耐え「三蔵法師」の称号継承権を目指す修行僧:峯明
主人公「峯明」とは?
「最遊記」本編から400年前、全5巻からなる「天地開元経文」の守り人とし「叡智と勇武秀でた僧侶」に与えられる称号「三蔵法師」の称号継承権を巡り、
学び競う場「大霜山」で「減点僧侶・峯明」と言われ、天然ボケでお茶目でそれでいて圧倒的に秀でた才能を時には仲間の為に使ったり、師匠の慈覚法師を驚かせたりとゆったりマイペースな?!修行を積んでいた男でした・・後に「光明」➡玄奘三蔵の師匠となります。
峯明と選ばれし「仲間達・10名」とは?
1、桃醍(とうだい)愛称➡モモちゃん
2メートルを越す鍛え抜かれた肉体を持つ。長く黒い巻き毛の二枚目、妖怪である「玄灰(ゲンカイ)」の良き理解者。真面目な体育会系男子。
2、玄灰(げんかい)
妖怪の血を引く、触った人の「死」を予見できる力を持った事により、親に金儲けの材料とされる。
成長は子供の頃からとまったまま「桃醍」と仲が良い。
「魔天経文」の候補者。
その能力「死の予見」を皆に畏怖される存在。
3、道卓(どうたく)
破戒僧的なイメージだが、体術・妖術に優れフランクな性格から礼節なども使いこなし上官からの受けはいい。人に頼られると断れない性格。「流されるまま生きている」というサバサバした性格の男。
4、青藍(せいらん)
正当派二枚目、優等生。冷静で頭がキレ峯明のちゃらんぽらんな性格に苦言は呈すものの実力は認めている。ジョークが通じない堅物。
5、蝶庵(じょうあん)通称➡おちょうさん・テフテフ
ナルシー男児。ヘタレだけど負けず嫌い、峯明につぐ法力の使いて。モモちゃんとは犬猿の仲だけど最終的にはモモちゃんのサポートにまわる。
6、丸福(がんぷく)愛称➡まるちゃん・マル
陽気で調子のいいムードメーカー的存在です。ずばずばものを言うしピンチの時はすたこら逃るし、丸々とした体形で力はあります。
7、抄雲(しょううん)
元はチンピラ、父の死後、改名し三蔵試験を受ける。左耳にピアスをしています。
8、義兆(ぎちょう)愛称➡ぎちゃん
人一倍熱くウザイ男。熱血すぎてあつくるい(汗)
9、宗迅(そうじん)愛称➡おっさん・カーネル
他のメンバーより年上、結構面倒見がよく万人に好かれる頼れる「おじさん」です。
10、隆善(りゅうぜん)
めがねをかけて、青藍とはまた違う天才児。かなりの努力家でもあります。
この11名で峯明の影響を受け「本当の三蔵法師」を目指しつつ「峯明」との友情を深めながら厳しい修行に耐え抜いていきます。
しかし「三蔵法師」を名乗れるのは、この11名の中でもたったの「5人」です。
どんな「修行」をし峯明は「減点僧侶」などと異名を名乗るようになってしまったのでしょか。
では具体的に「最遊記 異聞」覗いてみましょう!
過酷な「大霜寺」における修行とは?
試練1
薄氷の上で組手で戦いながら、氷を次々と割られていく
(負けたら=落ちると下は冷水)
一人木の上で傍観する修行僧=峯明。「わたし末端冷え性なんですよぉ~~」と参加せず、慈覚師範代がそれを見て、木の上から落とそうと数珠で枝を叩き割ります。
峯明は上手く「桃孩」:ももちゃんの上に落ち、慈覚法師は、皿のような「薄氷」を次々に割っていきます。
桃醍の氷の上には「峯明・玄灰」がいます。
鬼の慈覚師範代はその氷も数珠で割ります!
峯明は、慈覚師範代の数珠を掴みその瞬間、足で「水龍」をつくり慈覚師範代を襲いますが!?
慈覚師範代も法術で峯明の「水龍」を返しつつ、数珠を切ります。
峯明は氷水の中へバッシャーン!!「あのエロジジイはドSですよ絶対!!」
「10秒以内に上がらないと減点10」と言われ、急いで川から上がる峯明達でした。(結果)
峯明の放った「水龍」は、慈覚師範代の袖を破り「手加減してたらこっちの腕がもぎたられたわい、あの悪童が」と慈覚師範代もヤバい所だったのです。
試練2
積雪の中での(生死問わず)なんでもありのバトルロワイヤル
フンドシ1丁で、風邪を引き熱のある峯明。いつも以上に「力」の加減がコントロールできず、バッタ・バッタと倒していきます。
師範代は「一人でも多く生き残れるようにな」
法力を使う者・戦う者ペアになって行きます・そんな中、峯明はおかしな事に気付きます。
「試験官の姿が、どこにもない・・」と同時に慈覚師範代は、山のてっぺんから「雪崩」を起すのです!
峯明は「皆さん!お手を拝借!”オラに元気をくれ”ってヤツです、死にたくなければ」そして一人・また一人と必死の形相で峯明の元へ集まり手をつなぎ「峯明!!行きまーーす」とできたのが、雪崩を防ぐ「大きな筋肉隆々のスノーマン」でした(笑)。
「このセンス減点ですわ~峯明はん!」
「こんなブ細工、俺の美的センスが許さない」
と言って手を放した「蝶庵(じょうあん)」そのとたん、スノーマンが崩れ玄灰が雪に撃たれ、落ちそうになり峯明は、必死に手を掴みました。
しかし峯明の方も桃醍にフンドシを掴まれて
「モモちゃんのエッチ~」
「落とすぞ!!こら、自分でもなんとかせい!(汗)」
的状況でした。(結果)
残った修行僧「11名」でした。
体術師範代「象凌(ぞうりょう)」
腹はでて、唇あつく、ハゲのでぶ師範代の「パワハラ攻撃」とは?
パワハラ:その1・・「首で支えるバックストレッチ」
腕を組み40分間、首でバックストレッチ。
「頭に血がのぼるぅ~(汗)」「なんかシュールな画ですねぇ~」「頭がはげるぅ~(汗)」・「まだ!40分しか経ってないぞ!根性がない!やりながら歌でも歌って余裕をせぃ」
と玄灰の腹の上から、足で自分の体重を乗せる象凌師範代。(いじめですね汗)
それを見ながら、ストレッチをしていた峯明は・・
「ぞぉ~さん♪ぞぉ~さん♪くーちびるあついのねぇ♪そぉ~よ。ぜいにくもあ~ついのよぉ~♫」竹刀で峯明を叩こうとしますが、峯明が上手くかわし「え~~~歌えって言ったじゃないですかぁ」竹刀を半分に折り「逃げ出すほど可愛がってやるよ」と象凌の反感を受けます(汗)
パワハラ:その2・・「石段での人を背負ったうさぎ飛び」
「歩いて登ってるんじゃーねぇ!」と青藍の背中の上に乗った「象凌」は「涼しい顏して登ってるのは、気に入らん」と青藍の足元に竹刀を落とし、青藍は階段で転がり落ちます。
「三蔵法師の称号がそんなに簡単に手にできると思うなよ!!」皆唖然とします。
その晩・・「峯明さん、あない喧嘩ふっかけたらあかんて~」「てめえ~が事を大きくしてんじゃねーかよ!」と皆に攻められます。
・・「皆、必死で三蔵になる為ここまで頑張ってきてるんだ、お前も耐えろ。」と桃醍に言われます。
峯明は「すいません。気をつけます」と皆に謝罪します。
パワハラ:その3・・「腕たてふせ300回&両手縛り、冷水の中での碁石見つけ」
腕立てふせ300回ー!!「おいおいこれで終わりと思うなよ!これからこれをやってもらう。
この碁石を川の中に潜って拾ってきてもらうぞ!」と両手を縛りあげられた11名。
またも狙われた玄灰、碁石を見つけ一人・一人あがってきます。
玄灰は上がってこようとした時に、竹刀で抑え込まれ川から上がってくる事ができず、窒息死寸前です。
「お?もうくたばったか」横やりに象凌を殴りつけぶっとばした峯明です!
「仲間を見殺しにして得られる称号なら”三蔵”なんてクソくらえです」
「減点僧の分際でぇ・・」象凌は印を結ぶ前に、峯明は「水龍」を象凌に向かって放ち象凌を雪の中に埋めてしまいます(汗)
師範代に暴力を振るった峯明に課せられた「再試験」とは?
真言(マントラ)
108つ暗唱する事・できなければ「極刑」それを聞いた10名は?
「印」も結ばず術を使える峯明です。「真言の暗唱」は、大の苦手です。
「法術に真言の詠唱をまったく必要としない、あの化け物じみた才能のお蔭でな・・」
10名は論争を繰り広げます、「結局、峯明は”三蔵”の器じゃなかった」の意見が多い中「ここにいる全員が、自分一人の実力で残ったと、言い切れるのか?雪崩の時や・・」
みんな頭をひねります・・・
「でもどうやって、峯明を助けられるか?!」玄灰は頭を皆に下げました。
「力を貸して欲しい。俺は峯(ほー)さんを助けたい」と。
試験されているのは・・案外俺達の方かもしれん!!
宗迅は「一ついい方法がありますよ」・・峯明は後5分・21呪、汗ダラダラです。
「いっそ・・楽にして下さい」
「望まずとも、後5分たらずで楽になれるぞ。後4分」
・・「えーーーーと・・(汗)」と天井を仰いだ峯明・・真言をスラスラ言っていきます。
後1分!!「合格!!」・・辛い戦いだった・・と峯明。
「天井に焦げ跡をつけた者。全員 今すぐ名乗りでるように」10名・・全員姿を現し「ー我ら11名、己の心に定めし道の為ならば、御命 惜しまぬ覚悟にございます!」
さながら「11面観音」とも言えるメンバーでした。
「最遊記 異聞」の感想。
やはり「玄奘三蔵」のお師匠様です(笑)。この11名の中、「三蔵」3名は解ります。
「玄灰・桃醍・峯明」この3人は必ず「三蔵」になります。
玄灰が雪崩の時に峯明に助けて貰った時に、玄灰の頭の中、衝撃的に映像が流れ混んできたのです。
一言でいうと「闇と光」・・その中には、玄奘・悟空の姿・烏哭三蔵の姿もあり、玄灰がこんなにもビジョンが流れ混んできたのは「初めてだ」というぐらいインパクトが凄かったのです。
これだけの才能がありながら「聖典経文」を奪われて殺されてしまう光明三蔵(峯明)。
もう少し長生きしてほしかったです。
なぜ光明(峯明)が「魔天経文」と「聖典経文」を手にする事になるのかが、この「最遊記 異聞」で解ります。
そこに関しまして峰倉先生も
「最遊記本篇が、最終章に入り、なぜ光明が2つの「経文」を持っているの?三蔵システムってなに?とそのあたりを描こうと思ったらこの作品になった」”引用”
とおっしゃってます。玄奘三蔵ありきも、この方「光明」なしには語れませんしね。
そこで、ここで「異聞」を、ぜひみなさんに読んで楽しんで頂きたく、ご紹介致しました。
ぜひ、「最遊記 異聞」を読んで頂き最終章「最遊記BLAST」も楽しんで頂けたら幸いです。
では・・ここまでありがとうございました。
(記事:kerorin)
(画像出典:Amazon Kindle最遊記異聞 1巻 )
<とりあえずBookliveで立ち読みしてみる>